グループホームはるひ苑
うちの入居者のお二方、今日も午前中、花咲美さんのところで、調理の仕事に混ぜてもらう。
まだ試用期間中ですが、
はたらくということは
社会とのつながりを作ること
社会とつながってると感じること
そして、世の中から必要とされていると感じること。
30分、1時間、超短時間でもいいから
雇用され、お金を稼ぐことができるのは
自己有能感、つまり、自信につながる。
「家族にお金の面で迷惑かけて申し訳ない」
そうやって、肩身の狭い思いをしながら施設で暮らしている。
「自分だって働いて、お金を稼ぐことができるんだ!」
はたらけること。グループホームでは、それを実践してきたし、ちょっとした配慮で、認知症があったって、仕事だって出来ること理解してきた。
そうは言っても、結局僕たちは、認知症だからって、施設に入ったからって、「できない」と決め付けて社会から遮断する。
でも、社会とつながって、少しでも働いて、自分の好きなものを買ったり、家族の負担を減らすのはどうだろう?
高齢?でもまだまだできるってみんな思ってるものです。
いつまでも、社会から切り離された空間で
おままごとをして頂いているのは失礼にすら感じるのです。
グループホーム内でよくある話。
「社長に面接してもらってちゃんと雇ってもらわんにゃあ!」
「私、給料もらってないんですけど、どうなってるんですか?」
そう思われるのも当然の話。
もっと出来るのに
もっとやりたいのに
まだまだ勝手に決めつけている気がする
社会の厳しさ
その人のペースでゆっくりと、というグループホームの中と違って
ここでは他のパートさんのペースに合わせて
世間のペースに合わせて
一生懸命働く
集中力も高まり、適度な緊張感の中で
やり遂げる。
だからこそ、その達成感もひとしお。
「盛り付け、上手ですね!」
(それはそうだ。かまぼこを倒して盛るなんて、私達のように固定観念、既成概念に邪魔されずに、いかに美しく盛るかを純粋に考えておられるから!)
「すごいですね!次回はうちの包丁ももって来て研いでもらおう!」
(そう、我々より長い年月やって極めておられる。手先の器用さは、かないませんよ!)
「また、お願いします」と笑顔でパートさんたちと別れる。
「楽しかった」「忙しかったけど面白かった」「また、連れて来てください!」
帰りの車の中、興奮気味にお話ししてくださる。
はたらくということはなぜ、人の気持ちをこんなにも高揚させるのか?
午前中の仕事のおかげで、テンションも上がり、午後もとびきりの笑顔で過ごしておられた。
午前中はたらいたことはすっかり忘れてしまわれていたけれども。
周り(はた)が楽(らく)になり、社会の一員として役に立って感謝されるということはどんな人にとっても生きがいであり、人生の中で一番のお薬なんだろうな、とあらためて思うのです
。